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願うことなら、桜の木のもと、春に死にたいものだ
2006年 01月 10日 *
↑は西行法師が詠んだ時世の歌で、正確には「ねがはくは 花のもとにて 春死なむ 
         そのきさらぎの 望月の頃」 (『山家集』)

(願うことなら、桜の木のもと、春に死にたいものだ、
         そう、あの二月の満月の頃に)
というものです。

春に死にたい...
一見何の変哲もない言葉だけど、実に重く、ココロに染み入るコトバと感じるのは自分だけでしょうか?

『好きな季節は?』と問われた時、(統計を取ったわけではないけど)『春』と答える人が一番多いと思う。出会いと別れの季節であり、多くの人が希望に満ち溢れ、あの体を芯から温めてくれるような暖かさは何にも変えがたいもの。
特に日本人が『春』を好む理由の一つに『桜』の存在が挙げられます。桜は日本国の国花であり、日本人にとって「花=桜、春=桜」といっても過言ではありません。桜の開花時期は毎春ニュースになるし、桜を見ること(花見)が一つの行事として認知されているのって結構すごいですよね。それに、(これまた統計を取ったわけではないけど)桜を表題にした唄ってものすごく多くないですか?(列挙しようと思ったけど、数が多すぎるので却下)。

これだけ人々に認知され、日本人のスタンダードとも言える桜ですが、その実情はとても一般とは言いがたいものがあります。葉が出そろう前に花が咲きそろい「何もないところに花が咲く」という状態は古来生命力の強さを示すものであると同時に、桜という花が実に特殊な植物であるという証明でもあります。そして、一時期で花が咲き、枯れるというその特異性はその儚さ故、死を準える花として桜を認知させるに至りました。

↑のような事実を自分が知った時、とても不思議な気持ちになりました。
自分の無知さを嘆くと同時に、こういう視点、観点で物事を考えることがあるんだーというある種の驚きのようなものを感じたり...

自分はどうだろう?やっぱり春に死にたいと思うのだろうか?
そんな事を想った、2006年正月

by philboc | 2006-01-10 16:43 | thought